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より詳しくソーラーれんの働き

 石油や原子力などによる発熱・発電とちがって、太陽から降り注ぐエネルギーは密度のとても薄いものです。これをうまく利用するためには、なるべく幅広くたくさんの日射を受けることが理想ですが、日本の狭い住宅地では壁や窓に太陽をうけるのが難しいことが多くあります。ですが、屋根ならば厳しい高さ制限のおかげで太陽が当たることが多いのです。そういうわけで屋根に集熱のための働く機能()を持たせました。

 よく晴れた夏の日に、陽のあたるところに駐車された黒い車のボディ。これが熱いことは誰でも知っています。濃色は淡色よりも日射吸収率が高いのです。これを応用して、外気を濃色の鉄板で葺いた屋根の下に設けた空気層()に通すことで暖めます。棟に近い部分では、鉄板の上にガラスが取り付けられます。ガラスには、高温が作り出す短波長の赤外線は透過させ、低温の作り出す長波長の赤外線は反射する性質があり、日射で暖められた鉄板からの長波長を反射することで作り出す温室効果()によって、さらに下層を通過する空気の温度を押し上げます。

 さて屋根で集めた暖かい空気を室内に吹き込むだけでは、昼間の温度が高くなりすぎるのに、暖房がほしくなる時間には太陽の力は望めません。これでは一日の温度差を平準化するどころか、かえって温度差は大きくなってしまいます。この昼間の余分な熱は、暖房がほしくなる夕方から夜にかけて活用できれば都合がいいわけで、つまりその時間まで家の中のどこかにこの昼間の熱を貯蓄しておければいいのです。
    
 日本の住宅は木造が多いですが、木の熱容量は小さく貯蓄できる量も限られています。夜まで熱をとっておいてゆっくり使うためには、ある程度熱を伝え、かつ熱容量のあるものが必要となります。

 そこでどこの建物にもある基礎のコンクリートを使うことにしました。熱容量の値は、大きいほど熱を多く蓄えることができ、熱伝導率の値は、大きいほど熱が伝わることを示します。コンクリートは熱容量が大きく、熱をほどよく伝えることがわかります。この性質は熱の貯蓄にちょうどよいので、コンクリートを土間にしつらえば、蓄熱のための働く土間コンクリート()になるわけです。

 ハンドリングボックスから送られてくる熱い集熱空気()は、この蓄熱のための土間コンクリートと床面の両方に熱交換し、床吹出口()を通って室内をゆっくり循環します()。

   
▲ハンドリングボックス()

 蓄熱できる量は、集熱空気と床下のコンクリートの温度差が大きいほど多くなるので、そういう意味では集熱温度を上げたいのですが、日射相当外気温という限界があり、ある温度以上はあがらないこと、それよりも低いところに断熱材、コーキング材の熱限界があり、これらを考慮し、温度をコントロールする必要があること、そしてなによりも暖まった空気は上昇するという空気の動きの原則があることから、送風用のファンと空気の流れをコントロールするダンパーを持つハンドリングボックス()という機械を使用しているのです。

 夕方、日が沈み外気温が下がるにつれ、床下の土間コンクリートに貯蓄されていた熱が放熱に転じ、夜間の室温の低下を抑えます。さらに壁や開口部の断熱や気密に考慮することで熱が建物から逃げにくくなり、室温の全体的なかさ上げがはかれます。こうして一日の室温変動の幅を緩やかにすることができます。

 この集熱と蓄熱、そして熱の損失を減らすという "断熱・気密" をあわせた3つの要素のバランスで、温熱環境は決まるのです。

[ LAST UPDATE Mon, 2010-07-05 14:07 ]
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